ことばの発達は、体の発達以上に個人差が大きいものです。
うちの子はことばが遅いかも…と悩む前に、一度ことばの発達の基本をきちんと知っておきましょう。
講師:榊原 洋一(お茶の水女子大学副学長・小児科医) 子どもの成長はうれしいけれど、疑問や不安もいっぱいありますよね。 子どもの発達の基本を知って、子育てを前向きに楽しみましょう!
ことばの発達の特徴は、個人差がとても大きいこと
ことばを覚える能力は、すべての子どもに生まれつき備わっています。
それは訓練によって促進されるものではなく、私たち人間がもともと持っている力です。
ただし、1歳ですぐに2~3語話す子もいれば、3歳になってもひと言も話さない子もいて、個人差がとても大きいことがことばの発達の特徴です。
50~70語を理解して、はじめて初語が出る
ことばを話すには、ことばの意味を理解していることが必要です。
はじめてことばを口にしたとき、その子どもはすでに50~70語のことばを理解していると考えられています。
ことばの発達の順序
ことばの発達には順番があります。
まず「聞く時期」。
次に「単語」を口にする時期。
単語が200語くらいたまると「二語文」を話す時期。
次に「助詞」を使えるようになり、その後に「過去形」を話せるようになります。
子どもによって時期は個人差がありますが、こうした発達の順序はすべての子どもに共通しています。
特に大切なのは、ことばを蓄積する「聞く時期」
最初の「聞く時期」に、子どもはたくさんのことばを蓄積していきます。
この時期に、子どものまわりのことばの環境が豊かであることが、ことばを伸ばすためにとても大切です。
番組で実験したところ、夫婦ふたりと子どもひとりの家庭では、休日に家庭で話されることばの数は平均で1時間あたり942語でした。
想像以上にたくさんのことばが子どもの耳に入っていますね。
ことばのシャワーを浴びながらことばを身につける
子どもは常に周囲の会話からたくさんのことばを聞き取っています。
ことばを教え込んだからといってたくさん覚えるわけではなく、普段の生活でことばのシャワーを浴びることで、それらを自然に身につけていくのです。
家庭の中で双方向の会話が豊かであれば、子どもはきちんとことばを伸ばしていくことが出来ます。
ことばを教えようとするよりも、普段から家庭の中での会話を豊かにすることが、子どものことばの発達を助けることにつながるんですね!
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