講師:馬場直子(神奈川県立こども医療センター 皮膚科部長) 赤ちゃんのお肌って、プルプル、モチモチ! うらやましい! でも、スキンケアいらずと思わないで! 小さい頃からしっかりスキンケアすることは大事なんです。 すべすべに見える乳幼児の肌は、とてもデリケートで傷つきやすいものです。 普段の生活の中でできるケアを一緒に見て行きましょう。
紫外線が強い時期、紫外線から肌を守るには日光に当たる時間を短くしましょう。
午前10時から午後2時頃までは、紫外線の強い時間帯です。乳幼児と外出するときは気をつけてください。
ママからの質問 日光に当たったほうが良いのでは?
紫外線を浴びると、ビタミンDが合成されて骨が丈夫になるという良い点もあります。
しかし、紫外線を浴びすぎることには注意が必要です。皮膚にダメージが蓄積して、将来「皮膚がん」につながる可能性もあります。あとあと皮膚の老化現象に影響することもあり、紫外線を防ぐのは大事なことです。
紫外線を完璧に防ごうとしなくてもよいですが、過剰に浴びすぎないように注意しましょう。
お出かけするときは日焼け止めを使って、紫外線を上手にカバーしてあげたいですね。
日焼け止めの選び方
生後6か月を過ぎて30分以上外出をするときは、身体の露出部位に日焼け止めを塗りましょう。
ただし、日焼け止は肌にとって負担にもなるので、製品選びが大切になってきます。
日焼け止めを選ぶときは、アレルギーテスト済やパッチテスト済と表示されているもの、添加物が少ないものを選びましょう。
日焼け止めには、SPFとPAの表示がされています。SPFとは、肌が赤くなる原因の紫外線を防ぐ効果を示しています。SPFは数値が高いほど、PAもプラスが多いほど紫外線を防ぐ効果が高くなりますが、肌への負担も大きくなります。
赤ちゃん用の場合には、SPFは20~30程度、PAは++程度を目安としましょう。
<紫外線吸収剤について>
日焼け止めには「紫外線吸収剤」という成分が入っているものがありますが、肌への負担が大きくなります。乳幼児には、入っていないものを選んでください。
紫外線吸収剤は、白い色が付かないので大人にとっては使いやすいのですが、子どもにとってはかぶれやすいのです。
日焼け止めの使い方
日焼け止めの適量は、子どもの顔全体でパール粒1個分ぐらいです。
塗った後、白く残る程度が目安です。
たっぷり塗らないと効果が薄れてしまいます。
2~3時間経ったら塗り直しが必要です。
日焼け止めクリームは肌に良い薬というわけではありません。健康な皮膚に塗るときは問題ありませんが、アトピー性皮膚炎や乳幼児の荒れた皮膚には、決して使わないようにしてください。
ママからの質問 日焼け止めで肌がカサカサ。やめたほうがいい?
日焼け止めは落ちにくくできているので、毎日少しずつ肌に蓄積して、かぶれてくることがあります。
なんとなく皮膚がカサカサしてきた、荒れてきたと感じる場合は、日焼け止めを塗るのをしばらく止めた方がよいでしょう。
保湿剤だけを使ってツルツルに戻ってきたら、日焼け止めを再開してください。
日焼け止め以外にも、長袖の服装や日傘などで紫外線をガードできます。
デリケートな肌を優しく守ってあげてくださいね。
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