救急車の呼び方
意外とわからない救急車の呼び方。気持ちも動転しているときにどんなことに注意すればいいのか、小児看護の専門家、日沼千尋さんに教えていただきます。
講師:日沼千尋(東京女子医科大学 看護学部教授) 白石裕子(東京工科大学 医療保健学部看護学科 准教授) 子どもの急な病気や思わぬケガ…。とっさの場面にもできるだけ冷静に対処できるように、家庭での応急手当てについて専門家に教えていただきます。
家にいて子どもの異変に気づいたら
まず、すぐに大声でお隣近所など周囲に助けを呼びます。救急のときは人手が多いほど安心です。誰かが来たら、救急車を呼ぶように頼みましょう。それによって、子どもの応急手当てに専念できます。
電話をかけるときはなるべく固定電話から
助けを頼めず、自分で救急車を呼ぶときは、なるべく家の固定電話からかけましょう。そのほうが早く確実に、住んでいる地域の消防本部につながります。地域によっては電話番号から住所を特定してもらえる場合もあります。
-電話で伝えること
最初に「火事ですか、救急ですか」と問われるので、「救急です」とはっきり伝えましょう。続いて次の内容を伝えます。
・住所、近所の目標物
・子どもが、どのようにして、どうなったか
・意識や呼吸はあるか
・子どもの年齢と性別
・名前と電話番号
以上のことがきちんと伝えられるようメモに書き、電話や冷蔵庫のそばなど、わかりやすい場所に貼っておきましょう。
子どもへの処置
子どもに意識がない場合は、救急車の到着まで心臓マッサージと人工呼吸を続けます。呼吸している場合には、呼吸しやすい姿勢で寝かせましょう。横向きとうつぶせの中間の姿勢で、上側の足をまげておなかに近づけ、下側の足は自然に伸ばします。上側の手を前へ出し、呼吸しやすいように顔を傾けます。
意識がない状態であおむけに寝かせると、舌がのどに入って気道をふさいでしまうので、やめましょう。
救急車を待つ間にすること
救急車が到着するまでに、保険証、母子手帳、乳児医療証などを準備。緊急連絡先を母子手帳などに書いておくと安心です。さらに、おむつや着替え、現金なども用意しましょう。最低限必要なものを、いつもひとまとめにしておくと便利です。次に、家の玄関を開けておくと救急隊員が見つけやすくなります。近所の人や家族がいれば誘導をお願いしましょう。そして家を出るときは、火の元を確認し、最後に戸締まりを忘れないように。
-外で救急車を呼ぶとき
外で事故などにあったときは、まず子どもを安全な場所に避難させます。そして大声で周囲に助けを求め、119番通報を頼みます。携帯電話から119番通報するときは、携帯電話であることを必ず伝え、電波が途切れないように止まってかけましょう。このとき、子どもに意識がない場合は、通報している間も心臓マッサージと人工呼吸を行います。
現在地がわからないときは
電柱の住居表示で住所が確認できます。地域によっては電力会社が電柱に付けている「電柱番号」で位置が確認できたり、また自動販売機に住所が表示されている場合もあります。落ち着いて周囲を見回してみましょう。
子どもの緊急事態には、周囲の大人の助け合いがとても大切になります。いざというときのためにも、日頃からご近所や友だちとのお付き合いを心がけておきたいですね。
同じ週に放送された番組記事
- (月)ケガと打撲の手当て
- (火)やけど・窒息の手当て
- (水)心臓マッサージと人工呼吸
- (木)救急車の呼び方
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