「運動の発達」の順番が違っていても大丈夫?

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2016/09/10

出典:すくすく子育て[放送日]2016/09/10[再放送]2016/09/17

「寝返り」より先に「お座り」をするように

「寝返り」ができるようになる前に、「お座り」が大好きになってしまいました。自分の力で座ることはできないのですが、寝ている状態だと「起こして!」というように泣き、座ると落ち着きます。
しかし、「寝返り」もしていないので、背中がグニャッとなっていて心配です。背骨がゆがんだりしないでしょうか。
(9か月の女の子をもつママより)

 

「ハイハイ」をせずに「つかまり立ち」をするように

やっと「ズリバイ」をし始めたところなのですが、「ハイハイ」をせずに「つかまり立ち」をするようになってしまいました。
しかし、「ハイハイをしないと「将来ちゃんと手をついて転べない」「脳の発達にも影響する」という話を聞くため、心配です。「ハイハイ」をしていなくても問題ないでしょうか。
(7か月の男の子をもつママより)

 

榊原 洋一回答:榊原 洋一さん

できる=「自分の力でできる」
「お座りができる」というのは、「自分で座ることができる」ことを意味します。そのため、座らせたら座っていられるというのは「お座り」とは言いません。
自分で座れるためには、寝返りができないといけません。そのため、発達の順番は違っていないのです。背骨が曲がったりする心配もありませんよ。

例えば「首のすわり」も、生まれて1か月ほどの子どもをそっと縦に起こして、首が座ったと表現することがありますが、これは「首のすわり」とは言えません。そうではなく、寝ている子どもの体を引き起こしたときに、首がついてきたら「首がすわった」と言えるのです。

「ハイハイ」をしない子も存在する
「ハイハイ」をしないで立って歩く子がいることは、昔から知られています。「ハイハイ」はみんなが通る道ではなく、通らない子もいるのです。そのため、「発達の目安」のグラフに「ハイハイ」は入っていませんし、入れられません。
普通の発達のバイパスのようなものがあり、「ハイハイ」をしない子もいるのです。そういった子は、うつ伏せを嫌ったり、お尻をすって動くような面白い形の「ハイハイ」をする傾向があります。

したがって、「ハイハイ」をしておかないと、転んだ時に手が出なくなるという話がありますが、これは間違いです。立って歩くようになった子どもには、転んだ時に必ず手が出るという反射があります。それができるようになってから、立って歩くのです。そのため、転んだときに手が出ることと、「ハイハイ」は全く別の話です。

また、「ハイハイ」は、自分が移動したいという気持ちが「ハイハイ」になります。そのため、動きたいという気持ちがある子にとっては、動きやすい環境づくりをしてあげることはオススメです。

子ども目線で広い環境づくりを

若盛 清美回答:若盛 清美さん

家でママが広い場所を作ってあげてください。そうすれば、「ズリバイ」にしても「ハイハイ」にしても自由に動きまわれます。たまにはテーブルを端に寄せるなど、子どもが動きまわってもぶつからないよう、場所を作ってみましょう。そのように、子どもの目線で自分の家の環境を変えてみるというのも大切です。


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