昨年の秋に女の子を出産された、NHK Eテレ『おかあさんといっしょ』ゴッチャ!のおねえさんでおなじみ、タレントでダンス・インストラクターのいとうまゆさん。「すくコム」でも、早産となった出産のことや、始まったばかりの育児について語ってくださいました。
あれからほぼ1年。まゆさんと赤ちゃんはどんなふうに過ごしてきたのでしょうか。いまの気持ち、悩み、お子さんへの思いなどを3回にわたりお届けします!
前回(産後1カ月ごろ)のインタビュー時、「この後おっぱいの練習にいきます」と、病院にいる赤ちゃんのところへ戻っていかれたのが印象的でした。
おっぱいの練習・・・そうでしたよね。うちの子、かなり切実な「乳頭混乱」だったので、それはそれは大変だったんですよ。もしかするとこの1年でいちばんがんばったのは、乳頭混乱を克服したことかも…!
低出生体重で生まれたので、すぐに直母はできなくて、とにかく体重を増やすことを第一に、哺乳瓶の吸いやすい乳首でミルクを飲むことから始めました。それでおっぱいを拒否するようになったのですが、低出生体重児ではこのようなケースは多いようです。
NICU(新生児集中治療室)からGCU(継続保育室)に移って直母の練習をはじめましたが、どのくらい飲めたかな〜と測ってみても、いつも0グラム。飲みたくて口を開けて泣くのに、おっぱいをつけた瞬間にものすごく泣きながら怒るんですよ。「赤ちゃんってこんなに怒るの?!」と、おどろくほどの剣幕でした。
苦労がひしひしと伝わってきます。どんなふうに対処されたのですか?
困り果てて、ブログに乳頭混乱のことを書き込んでみました。すると、みなさんがいろいろ教えてくださった中に、保護器で吸える場合があるという情報があり、試してみたら娘には合っているようでした。
そんなわけで、退院後の授乳は、おっぱいを数回トライする(その間ギャン泣き)⇒ 保護器を付けて飲ませる(30ccくらい)⇒ 搾乳しておいた冷凍の母乳をあたためて哺乳瓶で飲ませる⇒ 終わったら搾乳、といった流れになり、1回の授乳に2時間くらいかかっていました。
ただ、保護器を使いつづけることは乳頭混乱の解消にはならないので、その後もいろいろと試して、ようやくおっぱいを飲めるようになったのが退院後3カ月近く経ってから。長かったですね。
3カ月…!!つらくなることはなかったですか?
もう一度同じ状況になったら、正直、同じようにはできないかもしれないですね。ママが苦しくならないことがすごく大事だと実感しましたから。
ただ、わたしの場合、「おっぱいを吸えない子もいる、それを克服するのはなかなか大変だぞ」という前情報を、あらかじめGCUで聞いていたことが支えになっていたのかな、と思います。育児書だけに頼っていたらたぶん、赤ちゃんはおっぱいが飲めるものだと信じ込んで、大きな壁にぶち当たっていたはずです。「赤ちゃんによって違う」という知識がインプットされていたから、ある程度覚悟をして、いっしょにがんばろう、いっしょに乗り越えようね、という気持ちで臨めたのだと思います。
よく育児書に「個人差があります」と、注意書きされているじゃないですか。実際にその通りで、いろんなケースがあってあたりまえだと知っておくだけでも、ママのきもちがほんの少しラクになるのではないでしょうか。
いろんなケースがあるのがあたりまえ・・・授乳にかぎらず、教科書通りにいかないのが育児ですね。
教科書通りにいかないってことを、今ではものすごい実感をもって語れますね(笑)
わたしはベビーサインの親善大使をしていますが、それこそ以前は、サインをはじめる時期について「お座りが上手にできて、指をさしたほうを見る・・・だいたい生後6カ月ごろですね!」なんて言っていましたけれど、うちの娘は修正月齢6カ月になっても、まったくお座りしませんでしたから。まさに「個人差があります」っていう話です。
でも、出産もおっぱいも、教科書通りにいかなかったからこそ、悩んでいるママにかけてあげられる言葉があるといいなと思っていて。6カ月でお座りできなくても、ベビーサインがなかなか出なくても、「いそがなくて大丈夫!」と。そんなふうに寄り添えるふところの深さを、これからも子どもと向き合う中で、育てていけたらいいなと思っています。
いかがでしたか?次回はあの手この手の寝かしつけの様子や、子育ての楽しみなどについてお送りします。どうぞお楽しみに!
(2016年8月24日取材)
▼昨年のインタビュー記事もぜひあわせてお読みください。ベビーサインについても、詳しくご紹介しています!
*いとうまゆさん 特別インタビュー* 思いがけない早産でママになって1ヶ月 ただいま、おっぱいに苦戦中!
*いとうまゆさん 特別インタビュー* たった2つのベビーサインだけでも、赤ちゃんといろんなお話ができます
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