習いごとに通うのを嫌がるときは、どうしたらいい?
子どもをスイミングとピアノの教室に通わせています。でも、スイミングのレッスンに行くたびに、子どもが嫌がって泣きます。それでも、レッスン自体を嫌がることはなく、終わった後は楽しそうにしています。子ども自身も上達しているし、できるようになったことを本人がうれしそうに話してくれることもあります。子どもを泣かせてまで習いごとをやらせるべきなのか悩みながらも、とても意味があるようにも感じて、親の頑張りどころなのかなと思っています。習いごとに通うのを泣いて嫌がるとき、どうするのがよいでしょうか。
(3歳7か月の男の子をもつママより)
ウォームアップに時間がかかる場合も
回答:遠藤利彦さん 子どもが泣いている理由を見極めることも大切だと思います。スイミング自体が嫌で泣いているのではなく、家を出て非日常的な場所に行こうとすることが嫌なのかもしれません。 また、ウォームアップに時間がかかる気質の子どももいます。ちゃんとできるけど、できるようになるまで少し時間がかかるわけです。お子さんはそのようなタイプかもしれません。
休ませた後、本人が「行きたい」と言えばチャンス
回答:遠藤利彦さん 1~2回ほど、スイミングを少し休ませるのもひとつの方法です。休ませたとき、本人が「水泳は楽しかった」と感じて、「また行ってみたい」と言えばチャンスです。スイミング自体が好きかどうかを判断するためには、子ども自身が落ち着いて考えることができる機会をつくってあげることも大切です。
「好きでやりたい」という気持ちをうまく支える
回答:遠藤利彦さん 乳幼児期は、子どもの「好きでやりたい」気持ちをうまく捉えて、その気持ちを支えてあげることに力点を置いたほうがよいでしょう。1度でも「水泳は楽しい」という感覚を味わった子どもであれば、きっと「もう一度やってみたい」と考えると思います。
私は、幼稚園から小学校の高学年までスイミング教室に通っていました。はじめは楽しかった記憶があるのですが、だんだんと嫌な気持ちが出てきたことを覚えています。親から、全種目が泳げるまでは頑張ろうと言われていたんです。大人になった今では、最後は全種目泳げるようになったこともあり、やめなくてよかったとも思えます。とはいえ、嫌だったことも事実で、続けることがよかったことなのか疑問が残っています。
(6か月の男の子をもつパパ)
スポーツは楽しむことが重要
回答:榊原洋一さん スポーツクラブでコーチが付いて運動しているような子どもと、鬼ごっこなど自由に遊んでいるような子どもが、その後どうなっていくのか追跡調査した研究がアメリカで行われました。調査の結果、子どもが青年期になってスポーツを楽しんでいる割合は、自由に遊んでいた子どもたちのほうが大きいことがわかったのです。 運動の重要なポイントは「楽しみ」です。競技になると、競うことでの「つらさ」が出てきます。特に挫折の経験がある子どもは、よい思い出が残らず、スポーツを楽しむ機会が減ったのではないかと思われます。大人になって「よかった」と思える人がいる一方で、「つらかった、本当に嫌だった」と感じる人もいます。
達成感は重要な経験。小さいうちは楽しいを尊重
回答:遠藤利彦さん スイミングをつらいと感じる一方で、全種目泳げるようになったときは達成感があったと思います。達成感は、子どもが大きくなったときに重要になる経験です。そして、スイミングをはじめたころの、乳幼児期の「楽しかった」という記憶があった。それらが、「大人になった今では、よかったと思える」ことにつながっているのかもしれません。子どもが小さなころの習いごとは、本人の「楽しいからやりたい」という気持ちを尊重してあげることがいちばん大事だと思います。
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