感染症予防のために、どんなことをすればいいの?
息子が保育園に通い出して、かぜをひいたり熱を出すことが多くなりました。病院の先生からは「通いはじめは、そういうものですよ」と言われましたが、つらそうな顔を見ていると心配です。いちばん重い症状になったのは胃腸炎にかかったときです。40度の熱が5日ほど続いて、病院で検査をすると胃腸炎と気管支炎を併発していたことがわかりました。
それからは、感染症の対策のためにできることはしています。例えば、口の周りや鼻の下にワセリンを塗るとウイルスが遮られると聞いて実践しています。空間除菌にはスプレータイプと据え置きタイプを使っています。必ず手洗いをしています。
でも、どんなに対策しても感染症にはかかってしまいます。どうやって予防すればいいのでしょうか。
(2歳11か月の男の子と11か月の女の子をもつママより)
集団生活で病原体と接する機会が増える
回答:草川功さん 子どもは、保育園のように集団生活をするようになると、自宅にいただけの頃に比べて病原体に接する機会が増え、感染症にかかりやすくなります。また、保育園に通いはじめた頃は、集団生活へのストレスもあったと思います。ストレスにより抵抗力が下がり、感染しやすくなることもあります。
感染経路を知っておく
回答:草川功さん 感染症予防のために、病原体がどのような経路で感染するのか知っておきましょう。感染経路は大きく次の3つに分けられます。 <飛沫(ひまつ)感染> 感染している人が「せき」「くしゃみ」「会話」などをするときに、どうしても唾液などが飛び、そこから感染します。飛沫感染でよく知られているのは、インフルエンザ、RSウイルス感染症、マイコプラズマなどです。 <空気感染> 空気中の病原体を吸い込むことで感染します。はしかや水ぼうそうなどが知られています。これらは、主にワクチンで予防します。 <接触感染> 病原体が付いたおもちゃをなめたり、おもちゃを触った手から口・目・鼻に入ったり、病原体に直接触ることで感染します。ノロウイルス、ロタウイルスなどの感染性胃腸炎、RSウイルス感染症などが知られています。 飛沫感染と接触感染は、手から体に入り感染することがほとんどです。
鼻の下にワセリンを塗ったり、抗菌剤を置いてみたり、いろいろな予防法を聞きますが、効果はあるのですか?
除菌グッズに大きな効果を期待しない。手洗いは効果がある
回答:堀成美さん よく除菌グッズの効果について聞かれますが、おすすめするほどの効果を期待できるものは、ほとんどありません。大きな効果を期待しないようにしましょう。 そんな中、「手洗い」は効果が期待できて、すぐに実践できる予防法です。病原体は、触れた手から口や鼻を通して体に入ってくることが多いので、手洗いの効果が大きいのです。石けんを使って手を洗うことが理想ですが、石けんがない場合は水だけでも洗いましょう。また、洗った後に手で髪を触れたり、手を服で拭いたりするのは清潔ではありません。きれいなハンカチやペーパータオルなどを使いましょう。
集団生活の中で、周りの人にうつさないためにできることはありますか?
せき・くしゃみエチケットを身につける
回答:堀成美さん 周りの人に病原体をうつさないための「せき・くしゃみエチケット」を呼びかけています。大人であれば、せき・くしゃみのときに「ティッシュを口にあてる」「二の腕をあてる」「マスクをする」などがあります。でも、子どもはティッシュが間に合わなかったり、マスクを嫌がるなど難しいこともあります。 そのような場合は、次の3つの方法を身につけていきましょう。 ・人がいなければ、後ろを向いてする ・しゃがんで地面に向かってする ・電車の中など周りに人がいて身動きできないときは、服の中にする 「服の中にする」は最終手段となりますが、いずれも人に向かってせきやくしゃみをしないことが大切です。
すくすくポイント
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