わが子のために、食事づくりはどこまで頑張ればいいの?
私の母は専業主婦で、食事を気にかけてもらい、いろいろと作ってもらった思い出があります。私も、子どもに手作りの料理を食べさせてあげたいと考えています。仕事があるので、夕食は毎朝5時に起きて1時間かけて作り置きするなど、頑張っています。ですが、頑張って作っても食べてくれないことがあります。そんなときはしかたなく、子どもが好きなチーズご飯を食べさせています。忙しい毎日で、栄養バランスを考えて手作りすることを心がけていますが、食べてくれない日が続くと心が折れそうになります。
わが子のために、食事づくりはどこまで頑張ればいいのでしょうか?
(2歳9か月の男の子をもつママより)
子どもに好き嫌いがある時期は料理を簡単に
回答:太田百合子さん 料理を頑張れば頑張るほど、よろこんで食べてくれるのではないかと期待してしまいます。ですが、期待し過ぎると、親子がお互いにつらくなってしまうこともあります。子どもに好き嫌いのある時期は、食べ残すのが当たり前だと思って、気持ちを楽にしましょう。料理も簡単にできるものでよいと思います。
親子で食べられる料理も
回答:太田百合子さん 子どものためだけの料理を作ると、食べ残しを捨てるほかありません。でも、親も一緒に食べられる料理であればアレンジができます。例えば、きんぴらごぼうの場合は、子どもが残しても、翌日に、きんぴらごぼうにお肉を足して、卵とじが作れます。ちゃんとした主菜になるのです。そのように、食べ残しがあっても「アレンジできる、ラッキーだ」と思えるくらいがよいと思います。 親としては、きちんと料理を作ってあげたいと思うでしょうが、「1週間に1度くらいは頑張ってみようかな」くらいの心持ちでいいのではないでしょうか。
食べてくれないときは、チーズご飯を食べさせていますが、それだけだと栄養のバランスが気になります。
栄養のバランスは1週間単位で
回答:太田百合子さん 実は、この時期は食べ物に好き嫌いがあるなど、食べ方にむらがあったほうがいいのです。こういった食行動は、成長発達の過程でなければならないものなのです。今はチーズご飯が好きかもしれませんが、1か月後には嫌いになってしまうかもしれません。その後、新しく食べたトマトが好きになったり、イチゴが好きになったり、好きなものが変わっていくのが子どもの好き嫌いなのです。 このような食べむらは、2歳代に多くみられ、3~4歳になると落ち着いてきます。子どもなりにバランスをとっていくわけです。栄養のバランスは、1日単位ではなく、1週間単位でみて、それなりに食べていれば大丈夫だと考えてください。
食わず嫌いは生存戦略
回答:外山紀子さん 食わず嫌いを含む子どもの好き嫌いは、新奇性恐怖というものが関係しています。新奇性恐怖とは、はじめて食べるものを警戒することです。未知の食べ物には毒性などのリスクがあるかもしれない、まずは用心しようという賢い生存戦略なのです。ですので、食わず嫌いをしたときは、「食べてくれない」と思うのではなく、「この子は賢い」と見方を変えてみましょう。 とはいえ、食わず嫌いはいずれ克服しないといけません。そのようなときは、周りの人が食べて見せることが大事だと思います。
すくすくポイント
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