子どもは遊びを通して世界を広げていくといいます。では、親はどのように遊びに関わるのがよいのでしょうか。1歳6か月の女の子が遊ぶ様子を見ながら、そのヒントを教えてもらいました。
木琴のおもちゃで遊んでいますが、叩いて音を出すのではなく、小さな穴にバチの棒を入れるのが楽しいようですね。その後、バチの端と端を合わせることに興味を持ったようです。このように、いろいろと発見しながら遊んでいきます。 (河邉貴子さん)
ママが「トントン」と言って、木琴を鳴らすことを教えてあげましたが、子どもはまだバチの端と端を合わせることに興味があったようです。もう少し、その遊びを続けさせてあげてもよかったかもしれません。 (河邉貴子さん)
ここで、ママが手作りおもちゃを出してあげました。ペットボトルのふたを2つ貼り合わせ、中にお米を入れたものです。
この手作りのおもちゃは、とてもいい工夫ですね。すくってみたり、積み重ねたり、いろいろと試すことができるおもちゃは子どもの想像力を膨らませ、遊びを広げていきます。 (河邉貴子さん)
木琴に、ペットボトルの手作りおもちゃを落として音を鳴らしていますね。木琴でいい音が出ることを知っていて、その経験と手作りおもちゃを組み合わせているんです。 (河邉貴子さん)
今度は、木琴を引っ張って遊びだしましたね。大人には「木琴は叩くもの」という固定概念がありますが、子どもにとっては、バチを穴に入れてみたり、ゴムを引っ張ってみたり、いろんなことができるおもちゃに見えるのです。遊び方を決めつけないで、子どもがおもちゃに関わって、どんなことを発見していくのか見守ってあげるのがよいと思います。 (河邉貴子さん)
うれしい気持ちに共感する
回答:河邉貴子さん 何かができたときや、おもしろいことを発見したとき、ママのところにきて、とびきりうれしそうな顔をするときがあります。その瞬間がとても大事ですので、「よかったね」「できたね」と声をかけて、子どもの気持ちに共感してあげましょう。
どのタイミングで、気にかけてあげたり、手を出してあげたりすればよいですか?
危ないときや、何かを求めているときに手助けする
回答:河邉貴子さん ひとつは、危なそうだと思ったときです。 また、子どもが遊んでいるとき、満足すると興味が次へ移りますが、飽きてくるとおもちゃを投げるなど、ものの扱いが乱雑になることがあります。そのようなときは、何かを求めてサインを出しているので、手助けしてあげるタイミングではないかと思います。他のおもちゃを出したり、同じおもちゃでも違う遊びかたを見せてあげたりしましょう。 子どもは、少し難しいことに挑戦したがります。例えば、穴にものを入れる遊びをしていて少し飽きてきたなと思ったら、穴の大きさや入れるものを変えるなど、チャレンジ精神がわくように環境を少し変えてあげましょう。
「見守る」場面と「手を出す」場面は、どうバランスをとればよいですか?
子どもの応援団になって、遊びを支える
回答:遠藤利彦さん 子どもの応援団になって、後ろからエールを送る存在になりましょう。例えば、子どもがこちらを見たときは、にっこりほほ笑んであげる。これもエールを送ることになります。「見守る」ことも、ただ見るだけではありません。子どもの遊びを黒子として支えてあげることも大切です。遊び相手にならなくても、おもちゃを手作りしてあげるなど、楽しく夢中になれるような環境をセッティングしてあげる。このような気構えで、お子さんの遊びを見守るスタンスがすごく大事だと思います。 そして、お子さんが「これ教えて」などのシグナルを発信してきたときは、きちんと答えてあげましょう。でも、容易に答えを与えるのではなく、「難しいね」と子どもの気持ちに共感して、一緒に考えて、深めていく。そのような答え方を心がけるとよいのではないかと思います。
すくすくポイント
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