公道を走る
公道を走る場合は、保護者も子も、正しく交通ルールを理解するようにしてください。
また、交通ルールの他に、地域ごとに特別に危険な場所があるはずです。そういった場所を具体的な形で、子どもに教えておきましょう。
講師:吉田 章(日本サイクリング協会理事 元筑波大学教授[体育科学系]) 子どもが初めて自転車に乗れるようになり、やっと乗れるようになったと喜んでも、公道を走るのは子どもも保護者も不安がいっぱいです。 今回は、公道での自転車の交通ルールについて解説します。
公道を走る前に
公道を走る前に、下記の3点を確認しましょう。
(1)ヘルメットはかぶっているか
ヘルメットを必ずかぶりましょう。子どものヘルメット着用は、保護者の義務として法律で定められています。
(2)自転車の点検はしたか
自転車の点検をしましょう。自転車のブレーキがきちんとかかるか、また、タイヤの空気圧の確認も大切です。可能であれば、子どもと一緒に点検しましょう。
(3)ふらつかずにまっすぐに走れるか
公道を走る上で技術的に必要なのは、道路の左側をふらつかずにまっすぐに走れることです。
知っておくべき交通ルール
保護者と子どもで、正しい交通ルールを理解しましょう。
(1)自転車での歩道の通行について
▼基本的なルール
自転車はあくまでも車両です。左側を通行し、車道を走るのが基本です。「路側帯」や「自転車レーン」があれば、自転車はそこを通行しなくてはいけません。
しかし、下の写真のような「自転車及び歩行者専用の標識」がある歩道では、自転車も通行することができます。
▼子どもに関する例外
子どもが13歳未満の場合は例外となり、自転車通行可の表示の無い歩道を走ってもよいことになっています。(道路交通法第63条より)
子どもが歩道を自転車で走る際、保護責任の観点から、保護者も歩道を一緒に走った方がいいでしょう。ただし、その場合は保護者は必ず子どもの後ろを走ってください。そして、子どもの様子を見て、適切な指示を出しましょう。
※歩道を走れる場合でも、あくまでも歩道は歩行者が優先です。たとえ歩いている人が邪魔だとしても、ベルを鳴らしたり声を出して歩行者をどかすのは、法律違反になります。
(2)自転車の逆走について
下の写真の「自転車専用レーン」のマークは、逆走できないことを示しています。このレーンでは左側通行をしなくてはならず、逆走は禁止です。
一方、歩道上では双方向の進行が可能です。すれ違うときには、すれ違う相手を右に見るようにしましょう。
知っておくべき注意ポイント
子どもが公道を自転車で走るとき、注意しなければいけない点はしっかりと保護者と子どもで確認しておきましょう。
(1)「一時停止」の標識と文字の場所
文字の読めない幼児でも、必ず教えておくべき標識です。
「この標識や文字では止まる」ということをしっかりと子どもに教えましょう。
▼特に子どもにとって危ない場所
「路地の出口」や「駐車場の出口」は、特に注意すべき場所です。
子どもの場合、とっさの判断が出来ません。普段からそういった場所では、必ず一度止まって、左右と後ろを確認する癖をつけましょう。
(2)下り坂の出口
子どもが自転車に乗ることに慣れてきたときに怖い場所です。車や人とぶつかる危険性が高いため、気をつけましょう。
(3)「黄色信号」や「歩行者専用の青の点滅」
これらの信号は、「急いで渡る」ではありません。法律では、この信号になった時点で交差点に進入してはならないと定められています。
各地域には、交通量の特に多いところや、子どもが見落としがちな危険な場所もあります。
下の写真のようなわかりやすい目印を子どもに示して、教えておくことがオススメです。
自転車に乗れるようになると世界が広がります。
保護者と子どもで交通ルールとマナーに親しみましょう。
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